9月も、Googleマップ、Googleビジネスプロフィールに関して多くのアップデートがありました。
管理者向けと、ユーザー側のアップデートに分けてご紹介します!
ビジネスプロフィール管理者向け情報
クチコミのポリシー違反への対処を厳格化 新たな文書を公開
Googleビジネスプロフィールのクチコミにおけるポリシー違反に関する文書が、Googleのヘルプセンターに新たに公開されました。
Googleは不当なクチコミへの対策を強化しており、その対策の一環として今回の対処が行われたものです。
不当なクチコミが発見された場合、該当するビジネスプロフィールに一定のペナルティが課されることがあります。
従来より禁止事項に対して課されていた対応に加えて、今回新たなペナルティが加わりました。
今回のアップデートは、違反クチコミに対して、より段階的にペナルティを実行するものであると言えそうです。
対処の概要:
【既存の対応】
・違反レビューの削除
・該当ビジネスプロフィールアカウントの停止(悪質な場合)
【今回加わった対応】
・新たなクチコミ取得と掲載の停止
・既存クチコミの公開停止
・Googleマップ及びビジネスプロフィールに虚偽のクチコミがあったことがユーザーに公開される
・プロフィールが制限される場合は事前にオーナーに通知が届く
・復旧には再審査請求が必要
Googleは「偽のクチコミ」や「実体験に基づかないクチコミ」を投稿したり、募ったりすることを「虚偽のエンゲージメント」として禁止しており、ヘルプページにその詳細を記載しています。
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7400114?hl=ja
「虚偽のエンゲージメント」の例:
・実体験に基づかない内容、無関係な内容
・インセンティブと引き換えに投稿されたクチコミ
・評価を操作する目的で複数アカウントから大量に投稿されたクチコミ
・好意的なクチコミを誘導し、その結果投稿されたクチコミ
・競合他社の評価を下げる目的で投稿されたクチコミ
2024年7月には、ビジネスプロフィールのヘルプページに「消費者アラート」という文書も追加されており、消費者向けにクチコミのポリシー違反に関する注意喚起をしています。
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/15178562?hl=ja&sjid=12440234611593083528-AP
↓虚偽のクチコミが非表示となった画面。
今回の変更により行われた対応と思われます。
「虚偽のクチコミが疑われるため、削除されました」と記載されています。
※追加情報※
後のユーザー向けの最新情報でご紹介しますが、Googleマップ上でも、ユーザーをクチコミへ誘導するような表示に徐々にアップデートされています。
Googleがクチコミのコンテンツを重要視していることの現れと言って良いでしょう。
「★5のレビューでドリンク一杯無料!」など、インセンティブと引き換えに高評価を集める方法は日本でも広く実施されており、禁止事項だと知らずに行っているお店も多くあるでしょう。
今後はこのような禁止行為に対する措置が本格化することが予想されます。
既に日本でも、違反クチコミを削除したことを通知するメールが以前に比べて多く届いているようです。
今一度、禁止事項を確認し、ご自身のお店がそれらに抵触する行為をしていないか、見直し、必要に応じた対処を行いましょう。
参照記事:
https://www.seroundtable.com/google-reviews-restrictions-business-profile-violations-38068.html
https://www.seroundtable.com/google-maps-fake-review-notice-38116.html
【インド地域】ビジネスプロフィールからQ&A機能を削除か
Googleは、インドをはじめとする地域のビジネスプロフィールから、Q&A機能を削除しているようです。
この事例は数か月前から報告されており、未だに回復していないようです。
米国をはじめ、複数の地域ではQ&A機能は現在でも実装されているようで、消失したという報告は全てインド地域からのものだそうです。
↓日本の画面ではQ&Aが確認できました。
↓実際に表示がない画面
他のMEO関係者からも同様の報告が上がっているようで、インドでこの現象が多く確認されているようです。
パキスタンなどの近隣地域の状況は現時点では不明です。
これが、特定の地域で機能を停止するテストの段階である可能性を指摘する関係者もいますが、詳細は不明で、日本語環境への影響も現時点で確認できていません。
※Googleビジネスプロフィールは、7月にメッセージ機能を終了したばかりです。
参照:https://www.seroundtable.com/google-business-profiles-q-a-india-38005.html
プロフィールの更新をメールで通知
9月初旬ごろから、GoogleからGoogleビジネスプロフィールの管理者宛てに、ビジネスプロフィールが更新されたことを知らせるメールが頻繁に届いています。
以前も更新を知らせるメールは届いていましたが、ここ数年は届かなくなっていました。
今回この通知機能が復活したものと思われます。
通知される更新の内容は、現在確認できているもので、ビジネス名、営業時間、ウェブサイトなどがあります。
メール本文には以下のように記載されています。
お客様のビジネス プロフィールが更新されました。この更新は、ユーザーからのフィードバックを受けて、または Google の自動システムにより行われました。今回の更新により、ユーザーはお客様の店舗の場所や営業時間などの最新情報を把握できるようになります。お客様の情報が更新されると、Google は必ずお客様に再確認をお願いしています。
内容を見ると、ペナルティやプロフィールの停止につながるような通知ではなく、ユーザビリティ向上につなげるための通知だと分かります。
代わりに、ビジネスプロフィールの店舗一覧画面の編集アイコンに、Googleによる更新があったビジネスには赤い点でマークされており、ここで更新の有無を確認できます。
また、この変更はビジネスオーナーではなく、一般ユーザーの提案、またはGoogleが自動認識した情報が反映されています。
オーナーが意図しない変更がされている可能性もありますので、この通知が届いた場合は一度プロフィールを確認し、必要であれば修正を行うことをおすすめします。
メッセージ下部の「情報を確認する」から、プロフィールの管理画面に飛ぶことができます。
予約リンクの修正を案内するメールを送信
Googleは、ビジネスプロフィールの予約リンクが機能していない事業者に対して、リンクの修正を促すメールを送っているようです。
このような通知メールは、今のところ「予約リンク」に関するもののみ確認できており、ウェブサイトリンクやSNSリンクなどでは届かないようです。
一つ前の記事に続き、8月終わり頃から、Googleからビジネスプロフィールに関する通知メールが多く届くようになっています。
メールが届いた場合は、該当のプロフィール内容を確認し、必要があれば修正しましょう。
メールが届いていない事業者の方でも、今一度ご自身のプロフィールが適切か、不具合がないか確認することをおすすめします。
参照:https://www.seroundtable.com/google-business-profile-broken-appointment-link-notifications-38019.html
【米国・Google広告】弁護士業の広告主へ本人確認とライセンス確認の通知
Google広告は、9月に入ってから弁護士業の広告主にアカウント認証の必要を通知するメールを送っています。
なりすましによる詐欺などを減らし、正当なビジネスが広告欄に表示されるようにする目的があります。
通知の概要は以下のとおりです。
・ID確認とライセンス確認の双方にパスする必要がある。
・弁護士事務所と広告主が提携関係であることを証明する必要がある。
・9月16日に弁護士宛に本人確認用のメールが送信される。
・本人確認には30日間かかる。
・認証の期限は11月15日
Google広告は3月に、同じく広告を利用する弁護士業アカウント宛てに、本人確認を必要とする通知を送っています。
参照:https://www.seroundtable.com/google-advertisers-lsa-verification-38040.html
【海外】特定業種で一斉の停止措置
Googleビジネスプロフィールのヘルプコミュニティで、プロフィールの停止措置が相次いで報告されています。
停止措置を受けたのは、「ガレージドア」「大型ゴミコンテナ」「個人業界弁護士」の特定の業種で一斉かつ大量に行われており、Googleが何らかの目的でこれらの業種に対する停止措置を行ってるものと予想されます。
参照:https://www.seroundtable.com/google-business-profile-suspensions-disabled-38086.html
【海外】プロフィールの変更で再度のオーナー確認が急増
海外のGoogleローカルプロダクトエキスパートによると、ビジネスプロフィールへの些細な変更によるアカウントの再確認要求が増えているそうです。
例えば、カテゴリ変更、電話番号の変更などの小さな更新でプロフィールが再審査のステータスに変わってしまったそうです。
プロフィールが再審査になると、審査が終了するまで、オーナー確認前の表示ステータスに戻ってしまい、プロフィールに表示できる内容が制限されます。
再審査を行うには、営業を証明する書類の送信が必要です。
参照:https://www.seroundtable.com/google-business-profile-re-verification-updates-38137.html
ユーザー向け Googleマップ新機能情報
アプリ内で新しい形のピンを導入
Googleマップで表示される、マップ上の地点を指すピンの形が新しくなりました。
新しい形は、Googleマップの象徴的なアイコンデザインであるポイントを指す先端部分が尖ったデザインではなく、より丸みのある形になっています。
↓Googleマップ、従来のアイコンデザイン
↓新しいピンが表示されたマップ
更に確認すると、同じGoogleマップでも、インターフェースによって表示が異なることが分かりました。
Google検索画面から遷移したマップの画面だと、まだ従来のアイコンで表示されていることが分かります。
一方、Googleマップアプリから開いた画面だと、新しいアイコンが表示されています。
↓Google検索のマップ画面
↓Googleマップアプリの画面
先月には、Googleマップの道路色の表示が変わるアップデートが行われていました。
他にも、ナレッジパネルの表示方法でもアップデートが行われており、GoogleマップのUX(ユーザーエクスペリエンス)の強化に力を入れているのかもしれません。
↓旧デザイン
↓新デザイン
参照:https://www.seroundtable.com/google-tests-map-pin-shapes-37992.html
クチコミ欄に関連写真を表示
Googleマップのクチコミ欄に、新たな写真の表示が確認されました。
クチコミ数の多いお店には、クチコミ内で言及されているコメントをフィルタリングできる機能がありますが、特定の用語を選択すると、その用語にマッチする写真がハイライトのような形で、クチコミ一覧の最上部に表示されています。
参照元の記事では、この写真はユーザー投稿の写真ではなく、オーナー提供の写真が表示されている、と書かれていますが、日本語の環境で確認したところ、ユーザーが投稿した写真も含まれていました。
参照:https://www.seroundtable.com/google-local-business-photos-on-review-sentiments-38030.html
投稿写真に関連する商品情報やクチコミを表示
Googleマップで飲食店の写真閲覧時に、その写真の料理名などの詳細情報とそのメニューについて言及されているクチコミが表示されるようになっています。
写真をスクロールしていくと、特定の写真が表示されたときに、写真の下にこれらの情報が表示されます。
たくさんのクチコミで言及されていたり、写真が多く投稿されているメニューを認識して表示しているものと思われます。
日本語の環境では、Googleマップのアプリではこの表示は確認できず、検索からの画面で確認できました。
ユーザーが投稿した写真を一枚ずつスクロールしていくと、多くは写真のみの表示ですが、特定の写真を表示したときに、写真の下に詳細情報が現れます。
この画面では「人気」のタグと写真とクチコミの件数、注文とウェブサイトへのリンク、その下に「関連のクチコミ」が表示されています。
1つ前のトピックで「クチコミ→写真」のクチコミから写真を参照できるアップデートをご紹介しました。
こちらはその逆で、「写真→クチコミ」の、写真からクチコミを参照できるアップデートとなります。
参照:https://www.seroundtable.com/google-reviews-menu-details-local-photos-38096.html
所在地情報を検索スニペットに表示
Googleは、検索結果のスニペット部分に、新たな表示を導入しています。
通常のスニペットの下の部分に、マップのピンとともに都市名、距離などが表示されています。
特定のウェブサイトや店舗を対象に、設定している現在地に対して、近隣の都市に店舗などがある場合に表示されるものと思われます。
日本語の環境では、通常のスニペットでは同様の表示は確認できませんでした。
リスティング広告内に、所在地と近い店舗情報が表示されており、クリックするとGoogleマップに移動しました。
参照:https://www.seroundtable.com/google-map-pin-city-name-search-snippet-38097.html
ローカルパネルに「この場所の関連情報」を追加テスト
Googleはローカルナレッジパネルに新しい外観の表示テストを行っているようです。
Google検索からローカルナレッジパネルをスクロールしていくと、従来の店舗情報やクチコミの概要、店舗の最新情報に続き、下の部分に「About this place」というセクションが追加されており、Googleがピックアップしたと思われるGoogleのクチコミが写真付きでサムネイルのような外観で表示されています。
これは、海外(米国)で確認された表示で、日本語環境での表示は確認できませんでした。
↓「About this place」が表示されている画面
投稿された画像を見ると、上部でキーワードが選択できるようになっており、内容を絞り込んで表示できるようです。
クチコミに投稿された本文内容や写真をGoogleが認識して振り分けているものと思います。
この記事の冒頭でもご紹介したとおり、Googleは9月にクチコミに関する大きなポリシーアップデートを行っています。
それに伴い、ユーザー側のインターフェースでも、クチコミへのアクセスを促すようなアップデートが徐々に行われています。
Googleがクチコミのコンテンツを重視していることが分かります。
参照:https://www.seroundtable.com/google-local-panel-about-this-place-38134.html