医療や美容といったクリニック領域では、「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」の観点が常に重要視されています。
Web上での情報提供においては、ユーザーの健康に影響を与えることから、Googleも厳しく品質を評価しています。
なかでも症例写真は、医師の診療経験や患者さまへの信頼性を視覚的に裏付ける手段として、E-E-A-Tの向上に大きく貢献する要素です。
本記事では、E-E-A-Tの基本や症例写真が与える影響、そして掲載時に注意すべきガイドラインへの対応まで、実践的なポイントを詳しく解説します。
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クリニックにE-E-A-Tが求められる理由
美容や医療といったクリニックの情報は、ユーザーの健康や生活の質に直結することから、「YMYL(Your Money or Your Life)」領域に該当し、Googleは特に厳しい基準でコンテンツの信頼性を評価しています。
その評価軸として重視されるのが「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」です。クリニックのWebサイトでは、専門性や正確で透明性のある情報提供が求められます。
これらの要素が満たされていないと、検索順位が上がりにくくなるだけでなく、患者さまからの信頼獲得も難しくなります。
E-E-A-Tに配慮した情報発信は、SEOの観点だけでなく、安心して選ばれるクリニックづくりにも欠かせない視点といえるでしょう。
E-E-A-Tとは?

GoogleがWebサイトの品質を評価する際に重視している「E-E-A-T」は、以下の4つの要素で成り立ちます。
- 経験(Experience)
- 専門性(Expertise)
- 権威性(Authoritativeness)
- 信頼性(Trust)
本章では、E-E-A-Tの各要素が何を意味し、クリニックの情報発信においてどのように対応すべきかを解説します。ぜひ自院のWebサイトに取り入れてみてください。
経験(Experience)
E-E-A-Tの「経験(Experience)」とは、実体験にもとづいた一次情報を指します。実際にそのテーマに関わった人による、リアルな視点や実感を伴った情報は、ユーザーの信頼を得やすいとされています。
クリニックにおいては、医師自身の診療経験をもとにした解説や、実際に担当した症例の紹介、ビフォーアフター写真の掲載などが代表的な例です。
例えば、「この施術を〇〇件以上経験」といった具体的な実績の提示も、経験値の裏付けとなります。
一方で、患者さま自身の体験談や口コミを広告として用いるのは、医療広告ガイドラインで禁止されているため、Webサイトに掲載するのはやめましょう。
専門性(Expertise)
「専門性(Expertise)」とは、特定の分野において専門的な知識や技能を有する人物によって情報が提供されていることを指します。
Googleは、美容や医療といったYMYL領域においては、特に専門性の高さを重視します。クリニックのWebサイトでは、医師が監修したコンテンツを掲載し、専門的な立場からの情報提供を行うのが重要です。
また、論文にもとづく記載は評価されやすく、あわせて医師の経歴や所属学会、認定資格などの明示も情報の専門性を補強できます。
権威性(Authoritativeness)
「権威性(Authoritativeness)」とは、その情報や発信元がどれほど信頼されているかを示す要素で、特に他サイトからの良質な被リンクが評価指標として重要視されます。
被リンクは、外部の第三者が「信頼できる情報源」と認めて紹介する行為であり、Googleはこれを権威性の証拠とみなします。
テレビ出演や学会発表、専門メディアでの紹介などは、それ自体が直接的にGoogleに評価されるわけではありませんが、そうした露出が結果的に被リンクを得るきっかけとなり、権威性の向上に繋がるでしょう。
被リンクを獲得するためにも、他者に参照されやすい形で情報を発信するのが大切です。
信頼性(Trust)
「信頼性(Trust)」とは、ユーザーが安心してその情報を信じ、利用できるかどうかを示す重要な指標です。
特にクリニック領域では、正確で透明性のある情報発信が求められます。Webサイトでは、住所・診療時間・医師紹介などの基本情報を明示するほか、医療広告ガイドラインに準拠した表現を用いるのが大前提です。
また、治療内容についてはリスクや副作用も含めて誠実に記載し、必要に応じて信頼できる出典を明示すると、情報の裏付けを補強できます。
こうした配慮は、ユーザーに対する信頼の形成に繋がり、検索エンジンからの評価にも好影響を与えます。
症例写真は「経験」と「信頼性」を強化する
E-E-A-Tの要素をWebサイト上で具体的に示す方法のひとつが、症例写真の掲載です。
症例写真は、医師が実際に行った施術のビフォーアフターを視覚的に伝えると、「経験(Experience)」の裏付けとして機能します。
文章による説明では伝わりづらい施術効果や技術力も、写真を通じて具体的に示せるため、説得力が高まるでしょう。
また、症例ごとに治療内容・期間・副作用などを丁寧に説明すれば、「信頼性(Trust)」の強化にも繋がります。
患者さまは、自分に似た症例を確認すると安心感を得やすく、結果的に来院や予約といった行動を促進できます。
E-E-A-Tの観点から見ても、症例写真は経験と信頼の両面に寄与する、極めて重要なコンテンツです。
症例写真の掲載がもたらすその他の効果

症例写真はE-E-A-Tを高める要素であると同時に、それ以外にも多くのマーケティング的な効果をもたらします。
症例写真がもたらす主な効果として、以下の5つが挙げられます。
- 患者さまからの信頼を得る
- エンゲージメント向上
- オリジナルコンテンツによるSEO評価向上
- 強調スニペットでの引用で視認性アップ
- 画像検索からの流入
順に見ていきましょう。
患者さまからの信頼を得る
症例写真は、治療を検討している患者さまにとって「自分にも効果があるかもしれない」と感じさせる重要な判断材料になります。
特に、自分と似た症例や悩みに近い写真を見ると、施術への期待感が高まりやすくなります。
また、視覚的な成果が明確に示されていると、クリニックへの信頼感が高まり、不安の軽減にも繋がるでしょう。
患者さまの多くは、施術前に具体的な結果イメージを持ちたいと考えており、その期待に応える症例写真は、クリニック選びの大きな後押しとなります。
エンゲージメント向上
文章だけでは伝わりにくい施術の効果や、ビフォーアフターの違いを症例写真で視覚的に示すと、ユーザーの関心を惹きつけ、自然とページ内の滞在時間や回遊率が高まります。
視覚的に興味を持ったユーザーは、その症例の詳細情報や関連施術ページにもアクセスしやすくなるため、結果としてページ閲覧数の増加にも繋がるでしょう。
エンゲージメントの向上は、SEOやコンバージョンにも良い影響を与えるため、症例写真は集患強化の重要なコンテンツといえます。
オリジナルコンテンツによるSEO評価向上
オリジナルの症例写真は、自院ならではの一次情報としてGoogleから評価される傾向があります。
他サイトには存在しない独自性のあるビジュアルコンテンツは、検索エンジンにとっても価値が高く、SEO上のプラス要因となります。
実際に施術した症例の写真を丁寧に掲載すると、コンテンツの信頼性や専門性も補強され、結果的に検索順位の向上に繋がるでしょう。
また、他院との差別化要素としても機能し、ユーザーからはほかでは得られない具体的な症例情報として認識されやすくなります。オリジナル症例の蓄積は、検索経由の集患強化において非常に有効です。
強調スニペットでの引用で視認性アップ
症例写真に関連したテキスト情報や説明文を適切に添えると、Googleの強調スニペットに引用される可能性が高まります。強調スニペットとは、検索結果の最上部に表示される要約枠です。

施術名や症状、治療経過をわかりやすく記述しておくと、検索キーワードとの一致度が高まり、Googleから「検索意図に合致した情報」として評価される可能性が高くなります。
強調スニペットに掲載されれば検索結果の中でも視認性が非常に高まり、クリック率の向上が期待できます。SEO対策の一環としても重要なポイントです。
画像検索からの流入
症例写真は、Googleの画像検索に表示されやすいコンテンツのひとつです。

施術名や症状に関連する画像が検索結果に表示されれば、テキスト検索とは異なる新たな流入経路を確保できます。
美容医療の分野では、治療前後の比較を視覚的に確認したいと考えるユーザーが多く、症例写真の掲載はそのニーズに応える有効な手段です。
また、画像に対して適切なalt属性を設定し、関連テキストと一緒に掲載すると、Googleにとって有益なコンテンツと認識されやすくなります。
さらに、検索結果に写真と共に表示されるリッチリザルトとして扱われる場合もあり、視認性の向上やクリック率の改善にも繋がります。

症例写真を掲載する際の注意点

症例写真はクリニックの診療実績や技術力を視覚的に伝える有効な手段ですが、掲載にあたっては慎重な対応が必要です。
本章では、症例写真を安全かつ適切に活用するために、押さえておきたい注意点を解説します。
必要情報を明示する
症例写真を掲載する際には、写真だけの単独掲載は医療広告ガイドラインで原則禁止されています。
ビフォーアフター写真のみを掲載すると、閲覧者に過度な期待を与え、誇大広告と見なされる可能性があります。
そのため、写真とあわせて治療の名称・目的・費用・副作用・施術回数・ダウンタイム・経過の説明など、判断材料となる情報の記載が必要です。
これらの情報を併記すると、ガイドラインが定める「限定解除要件」を満たし、正確な情報提供として認められます。
適切な情報を併記すると、ユーザーが施術について正しく理解でき、トラブルの回避や信頼性の向上にも繋がります。
医療広告ガイドラインは以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

患者さまの同意取得やプライバシー配慮
自院のサイトに症例写真を掲載する際、必ず患者さま本人の同意を得る必要があります。
医療行為に関する情報はデリケートであるため、口頭ではなく書面での同意書を取得し、掲載目的や使用範囲を明確に伝えることが望まれます。
また、写真に顔全体が写っている場合には、目線の加工やトリミングなどで個人が特定されないように配慮しましょう。ネット上では写真が意図せず拡散するリスクもあるため、あらかじめ匿名性を担保したうえでの掲載が求められます。
こうした丁寧な対応は、患者さまの安心感を生み、クリニックへの信頼にも繋がります。法的トラブルや炎上リスクを防ぐ意味でも、同意取得とプライバシー保護は徹底しましょう。
症例写真の掲載例

※画像はあくまでイメージです。掲載用の写真は実際の症例写真を使用いたします。
先述のとおり、クリニックが症例写真を掲載する際は、医療広告ガイドラインに準拠した情報の提示と、患者さまのプライバシー配慮が必要です。
Webサイトに症例写真を載せる場合は、掲載例のように、ビフォーアフター画像に加えて「治療内容」「治療期間・回数」「費用」「リスク・副作用」を明記し、限定解除要件を満たすようにしましょう。
また、目元や全体の写り込みを避け、個人が特定されないように配慮します。
こうした構成は、ユーザーの誤認を防ぎながらも信頼感を与え、結果的にE-E-A-Tの向上にも繋がります。
症例写真の掲載でE-E-A-Tと信頼性を高めよう
症例写真は、クリニックがWeb上で「経験」や「信頼性」を示すうえで非常に有効なコンテンツです。
実際の治療経過を視覚的に伝えると、ユーザーは施術効果を具体的にイメージしやすくなり、治療への期待感や信頼感が生まれます。
症例写真を活用する場合は、医療広告ガイドラインに沿って、治療内容・費用・副作用・経過などの必要情報を明記し、プライバシーにも十分に配慮した形で掲載しましょう。
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医療広告ガイドラインを考慮したコンテンツマーケティング/広告運用だけではなく、Webマーケティングの戦略立案、SNSマーケティング、Webサイト改善、毎月のレポーティングなど、豊富な経験と実績を持ったメンバーたちがPDCAを実行し、丁寧にサポートします。