近年、患者さまの情報収集方法が大きく変化する中で、従来のホームページや看板だけでなく、SNSでクリニックを探す患者さまが増えているのをご存じでしょうか。
実際、SNSの利用者数は年々増加しており、クリニック経営においてもSNS活用は無視できない集患手段となっています。
今回の記事では、クリニックがSNSを活用すべき理由から、具体的な運用ポイント、注意すべき医療広告ガイドラインまで、実践的な情報を解説します。
SNSを効果的に活用して、集患力を高めていきましょう。
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クリニックにSNS運用が必要な理由
総務省の調査によると、日本のSNS利用者数は、2022年では1億200万人にのぼり、2028年には1億1,300万人に増加すると予測されています。
すでに日本人の約8割がSNSを利用している計算になり、この数字は今後さらに伸びていく見込みです。
こうした背景から、ユーザーの検索行動も多様化しています。
以前はクリニックを探す際、Googleなどの検索エンジンが主流でしたが、現在ではInstagramやX(旧Twitter)で直接検索する患者さまも増えています。
つまり、クリニックもSNSを活用した集患施策が必要な時代になっているといえるのです。
出典:ICTサービス及びコンテンツ・アプリケーションサービス市場の動向
クリニックがSNSを活用するメリット
SNSを活用することで、クリニックはさまざまなメリットを得られます。
ここでは代表的な4つのメリットをご紹介します。
施術の詳細をわかりやすく伝える
SNSは画像や動画を使ってわかりやすく情報を伝えられるのが大きな特徴です。
施術内容や治療の様子などを発信すると、患者さまがイメージしやすくなります。
テキストだけでは伝わりにくい治療の流れや効果も、ビジュアルで補足すると患者さまの理解が深まります。
特に「仕上がりのイメージ」が重要な診療科では、写真や動画による情報発信が来院の決め手になることも少なくありません。
年代別のアプローチが可能
SNSは利用者の年代ごとに特徴が異なるため、ターゲットに応じた使い分けが可能です。
たとえば、20〜30代にはInstagramやTikTok、40〜50代にはFacebookやLINE公式アカウントが効果的といった具合です。
媒体ごとに特性があるため、狙いたい患者層に合わせて使い分けると、効率的に認知度を高められます。複数のSNSを併用することで、幅広い年齢層にリーチすることも可能です。
スピーディに情報を届けられる
診療時間の変更や休診日、インフルエンザワクチンの入荷状況などをリアルタイムで患者さまに伝えられるのもSNSの強みです。
ホームページの更新よりも手軽で、フォロワーに直接情報が届くため、必要な情報をすぐに届けたい場合に適しています。
特にX(旧Twitter)やLINE公式アカウントは速報性が高く、緊急性のある情報発信に向いています。
クリニックの求人募集にも効果的
SNSは求職者へのアプローチにも有効です。院内の雰囲気やスタッフの働き方を日常的に発信すると、職場環境を具体的にイメージしてもらうことができます。
「どんな人が働いているのか」「職場の雰囲気は明るいか」といった情報は、求人サイトだけでは伝えきれません。SNSで日常的に発信することで、クリニックの魅力が伝わり、応募数の増加や採用のミスマッチ防止に繋がります。
クリニックが利用できるSNSの種類

クリニックが活用できるSNSはいくつかあります。
それぞれ特徴が異なるため、目的やターゲット層に合わせて選ぶことが大切です。ここでは代表的な6つのSNSを紹介します。
各SNSの特徴比較表
| SNS | 利用率(2023年) | 主な利用年齢層 | 特徴 |
| 56.1% | 20〜30代 | ビジュアル重視、美容系に強い | |
| 30.7% | 30〜50代 | 記事調の投稿、幅広い年齢層 | |
| X(旧Twitter) | 49.0% | 20〜40代 | リアルタイム性が高い |
| YouTube | 87.8% | 全年代 | 動画で詳しく伝えられる |
| LINE | 94.9% | 全年代 | 再来院促進に効果的 |
| TikTok | 32.5% | 10〜20代 | 短尺動画、強い拡散力 |
出典:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 令和6年6月
写真やショート動画を中心としたビジュアル重視のSNSです。
クリニックの雰囲気や施術のイメージを伝えるのに効果的で、特に美容系や20〜30代をターゲットとする場合、集患効果が期待できます。
活用例
- 施術のビフォーアフター写真(医療広告ガイドライン遵守のもと)
- 院内の雰囲気やスタッフ紹介
- 健康情報や予防医療の啓発
費用 基本無料(広告を出す場合は別途費用)
おすすめなクリニック 美容皮膚科、審美歯科、アンチエイジングクリニックなど、ビジュアルで魅力を伝えやすい診療科
利用率:56.1%
全体の利用率はそこまで高くないものの、幅広い年齢層に利用されています。
特に30〜50代で多く活用されている傾向があります。記事調の投稿やイベント情報を届けるのに適しています。
活用例
- 健康セミナーやイベントの告知
- 詳しい医療情報の発信
- 地域の健康情報の共有
費用 基本無料(広告を出す場合は別途費用)
おすすめなクリニック 内科、整形外科、総合診療科など、幅広い年齢層を対象とするクリニック
利用率:30.7%
X(旧Twitter)
リアルタイム性が高く、速報性のある情報発信に向いています。
診療時間の変更や混雑状況、健康情報などを素早く届けられるのが強みです。
活用例
- 休診日や診療時間変更のお知らせ
- 待ち時間の目安や混雑状況
- 季節の健康情報やワクチン情報
費用 基本無料(広告を出す場合は別途費用)
おすすめなクリニック 内科、小児科、耳鼻咽喉科など、季節性の疾患や急な情報発信が必要なクリニック
利用率:49.0%
YouTube
動画による情報発信が可能で、院長の人柄や施術内容を詳しく伝えられます。
専門性の訴求にも役立ちます。
活用例
- 院長による健康情報の解説
- 施術や治療の流れの紹介
- 患者さまからよくある質問への回答
費用 基本無料(広告を出す場合は別途費用)
おすすめなクリニック 専門性を訴求したい全ての診療科、特に整形外科、心療内科、歯科など
利用率:87.8%
LINE公式アカウント
患者さまの再来院を促すのに効果的です。予約のリマインド配信や健診の案内を行うとリピートに繋がりやすくなります。
活用例
- 予約のリマインド通知
- 定期健診やワクチン接種の案内
- クーポンやキャンペーン情報の配信
費用 基本無料(メッセージ配信数により有料プランあり)
おすすめなクリニック 全ての診療科、特に定期通院が必要な内科、歯科、美容クリニック
利用率:94.9%

TikTok
10〜20代を中心に利用率が高く、短尺動画で強い拡散力を持つSNSです。
若年層向けの美容やトレンド訴求には効果的ですが、30代以上の患者層を狙う場合は向いていません。
活用例
- 美容医療の啓発動画
- 若年層向けの健康情報
- トレンドに合わせた情報発信
費用 基本無料(広告を出す場合は別途費用)
おすすめなクリニック 美容皮膚科、審美歯科など、若年層をターゲットとするクリニック
利用率:32.5%
クリニックがSNSを活用する際のポイント8つ

SNSを効果的に活用するには、いくつかの重要なポイントがあります。
ここでは実践的な8つのポイントを解説します。
目的とターゲットを明確にする
集患、求人、信頼性向上など、SNSを活用する目的を明確にするのがポイントです。目的が明確であれば、投稿内容や活用するSNSがブレることなく効果的な発信に繋がります。
たとえば「20〜30代の女性患者を集患したい」という目的なら、Instagramでの美容情報発信、「地域住民との信頼関係を築きたい」なら、FacebookやLINE公式アカウントで地域の健康情報を発信する方が適しています。
チラシや待合室にQRコードを設置する
SNSアカウントを知ってもらうにはオフラインでの案内も必要です。ポスティングのチラシや院内掲示物にQRコードを載せると、患者さまをSNSに誘導できます。
特に既存患者さまは、クリニックのSNSアカウントがあることを知らないケースも多いため、待合室のポスターや診察券にQRコードを印刷しておくと効果的です。
定期的に更新する
SNSは継続的な情報発信が大切です。
特にInstagramやX(旧Twitter)では直近の投稿やエンゲージメント率が高い投稿を上位に表示する仕組みがあります。
定期的な投稿を続けることで患者さまの認知度を上げられます。理想的には週に2〜3回以上の投稿頻度を保つことで、アルゴリズムからも評価されやすくなります。
院内の雰囲気を発信する
写真や動画で院内の雰囲気を紹介すると、初めて来院する患者さまの不安を和らげられます。スタッフ紹介をすることで来院前から親しみや安心感を持ってもらえます。
特に「どんな先生が診てくれるのか」「スタッフは優しいか」といった情報は、患者さまが来院を決める大きな要素です。院内の清潔感や待合室の様子なども積極的に発信しましょう。
フォロワーとコミュニケーションをとる
SNSは一方的な情報発信だけでなく、コミュニケーションができるのが強みです。コメントやメッセージに丁寧に対応すると患者さまとの距離が縮まります。
また、患者さまの悩みや疑問をSNSで収集し、投稿のテーマとして活用することもできます。ただし、個別の医療相談には応じず、一般的な健康情報の提供にとどめることが大切です。
反応を分析し、改善に繋げる
どの投稿に反応があったかを分析すると、患者さまの関心を把握できます。反応の良いテーマや形式を繰り返し発信することで運用の精度が上がり、より効率的に集患へ繋げられます。
各SNSには分析ツールが備わっているので、インプレッション数(表示回数)、エンゲージメント率(いいねやコメントの割合)、フォロワーの増加数などを定期的にチェックしましょう。
来院予約への動線を整える
SNSを見てもらうだけでなく、来院へ繋げる動線設計が大切です。プロフィール欄に予約ページのリンクを設置したり、投稿からWeb予約へ誘導する工夫をすると良いでしょう。
たとえば「プロフィールのリンクから予約できます」といった一文を投稿に添えるだけでも、予約数は大きく変わります。SNSはあくまで集患のための手段であり、最終的には来院に繋げることが目標です。
医療広告ガイドラインを遵守する
SNSの運用でも医療広告ガイドラインの遵守は必須です。誤解を招く表現は違反対象になり、行政からの指導が入る可能性があります。
また、行政が展開している、医療広告ガイドライン事例集にもSNSについて言及する内容が記載されておりますので、確認しておきましょう。
一度違反してしまうと改善までにさらに時間やコストがかかるため、正しい知識での運用が求められます。特に「絶対治る」「最高の治療」といった断定的な表現や、ビフォーアフター写真の掲載には細心の注意が必要です。必要に応じて専門家に見てもらいましょう。

SNSとほかの集患チャネルを組み合わせるのも大事
患者さまの検索行動も多様化しているため、SNSだけでなくGoogle検索、口コミサイトなど複数の流入経路を持っておくと安心です。
SNSはアルゴリズムの変更によって、ある日突然リーチ数が減少することもあるからです。
1つの流入経路だけに依存していると、そのような外部要因で集患数が大きく変動してしまうリスクがあります。
複数のチャネルを組み合わせることで、アルゴリズムの変化などの外部要因で1つの流入が減少しても、ほかのチャネルで補えます。
Googleビジネスプロフィールの最適化、SEO対策、口コミサイトへの登録なども並行して進めることをおすすめします。

クリニックのSNS活用で集患効果を高めよう
SNSは現代のクリニック経営において、もはや必須の集患ツールとなっています。
SNSの利用者数は今後も増加が予測されており、早めに取り組むことで競合クリニックとの差別化にも繋がります。
今回の記事で紹介したように、SNSにはそれぞれ特徴があり、クリニックの診療科やターゲット層に合わせて使い分けることが大切です。
今回の記事でご紹介した運用のポイントを守りながら継続的に情報発信をすることで、着実に集患効果を高めることができます。
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