Googleの口コミはユーザーが実際に体験した店舗やサービスについて自由に評価を投稿できる仕組みで、店舗の集客に大きな影響を与えます。
しかし近年、事業者が口コミに不正に関与する「ステルスマーケティング(ステマ)」が問題視され、消費者庁やGoogleによる規制が強化されています。
口コミの点数や件数が集客効果を高める一方で、不適切な投稿依頼は法規制やポリシー違反となり措置命令や口コミ削除などのリスクを招きかねません。
本記事ではGoogle口コミに関するルールや違反事例を解説し、安全に口コミを活用する方法を紹介します。
Googleの口コミ対策で集客力を高めたい事業者さまはぜひ参考にしてください。
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Google口コミとは?
Google口コミとは、Googleビジネスプロフィールに表示されるレビュー機能のことを指します。
利用者が店舗に訪れた際に、実際の体験をもとに星の数やコメントで評価を投稿できる仕組みです。投稿された口コミは検索結果やGoogleマップに反映され、閲覧したユーザーの判断材料となります。
特に医療機関やサービス業では口コミの内容が信頼感に直結するため、その重要性は非常に高いといえるでしょう。
事業者にとっては集客に大きく関わる要素であり、適切に活用する必要があります。
Google口コミの点数や件数が集客に与える効果

Googleの検索結果やGoogleマップにおける表示順位は、以下の3つの指標で決定されます。
- 関連性
- 距離
- 知名度
このうち知名度を示す要素として大きな影響を持つのが、口コミの点数や件数です。星の数が高く、かつ多くのレビューが集まっている店舗は利用者から支持されていると判断され検索結果で上位に表示されやすくなります。
その結果ユーザーからのクリック率が高まり、来店に繋がる確率も上昇します。
つまり、口コミの質と量は店舗の信頼を裏付けるだけでなく、検索アルゴリズムを通じて集客力を高める重要な要因となるのです。
参考:Tips to improve your local ranking on Google – Google Business Profile Help
Google口コミに適用される法規制・運用ルール
口コミは利用者の意思決定に大きく影響するため、事業者が関与していることを隠した操作や依頼は法律で禁止されています。
さらにGoogleの口コミでは、ほかのプラットフォームと比べて厳しい運用ルールが設けられています。ルールから逸脱すると口コミの削除やアカウント制限といった措置に繋がるため、十分に注意しましょう。
本章では、「ステルスマーケティング」と「Googleのポリシー」の2点を詳しく解説します。
ステルスマーケティング
事業者が関与していることを隠して口コミを操作する行為をステルスマーケティングといい、景品表示法にもとづき禁止されています。
口コミ内容の指定や特定の評価を条件にサービスを提供する行為はステルスマーケティングに該当するため注意が必要です。
例えば星5を条件に割引を行うケースは、事業者が表示内容を決定しているとみなされ告示違反となります。
| Q6 当社では、一般消費者に対し当社のサービスを利用した後に、予約サイトの口コミ投稿を行うことを条件として、サービスを割引価格で提供することを検討しています。この場合、当該口コミ投稿が、告示に違反することはありますか。 口コミ投稿について、サービスに対する評価として「星5(☆☆☆☆☆)」を付けることを条件としている場合はどうですか。 A 前段の場合、口コミ投稿の内容についての指示は含まれていません。また、一般消費者の口コミ投稿を促進する目的で、サービスを割引価格で提供するという程度の関係の下であって、割引程度の対価であることも踏まえれば、表示内容の決定に関与しているとはいえません。 したがって、当該口コミ投稿は、通常、「事業者の表示」には当たらず、告示に違反しないと考えられます。 一方で、後段の場合、口コミ投稿に当たって、「星5(☆☆☆☆☆)」を付けることが条件とされており、事業者は表示(投稿)の内容を決定しているといえるため、「事業者の表示」に当たると考えられます。したがって、「事業者の表示」であることを明瞭にしなければ、告示に違反します。なお、口コミ投稿に当たって、「星5」ではなく、サービスの品質や内容、価格等の取引条件について推奨するコメントをすることが条件とされている場合も同様です。 |
Googleのポリシー
Googleでは口コミの信頼性を守るために独自の厳格なポリシーを設けています。
特に注意すべきなのは、口コミの内容を依頼・指示していなくても報酬や割引といったインセンティブを提供して投稿を促す行為自体が違反となる点です。
つまり「口コミを書いてくれたら〇〇をプレゼント」といった誘導は、それが高評価を指定していなくてもポリシー違反に該当します。
| Google マップに投稿するコンテンツは、お店や場所での実体験に基づいている必要があります。虚偽のエンゲージメントは許可されておらず、削除されます。 これには以下が該当します。 ・実体験に基づいておらず、対象の場所や商品を正確に表現していないコンテンツ。・企業が提供するインセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)が誘因となって投稿されているコンテンツ。 これには、インセンティブと引き換えに否定的なクチコミの修正や削除の依頼を受けて投稿されるコンテンツも含まれます。 ・場所の評価を操作するために複数のアカウントから投稿されているコンテンツ。 ・エミュレータやその他のデバイス改ざんサービス、改変されたオペレーティング システム、またはその他の手段を使って、実際のエンゲージメントを模倣したり、センサーのデータもしくは分析結果を操作したりするなど、通常の運営を妨害もしくは混乱させるために投稿されているコンテンツ。 |
引用:Prohibited & restricted content – Maps User Generated Content Policy Help
Google口コミでステマ違反となった場合の措置内容

ステルスマーケティングに該当する行為が消費者庁の調査によって認められた場合、事業者は以下の措置命令を受けることになります。
| 消費者庁の調査の結果、違反行為が認められた場合、事業者に対して、措置命令が行われます。 措置命令については、その内容が公表されます。(課徴金はかかりません。) 措置命令の内容(例) ・違反した表示の差止め ・違反したことを一般消費者に周知徹底すること ・再発防止策を講ずること ・その違反行為を将来繰り返さないこと また、表示内容に優良誤認又は有利誤認もある場合は、告示違反に加えて、優良誤認又は有利誤認として景品表示法上の措置を受けることになります。 |
引用:景品表示法とステルスマーケティング~事例で分かるステルスマーケティング告示ガイドブック
措置命令は課徴金こそ発生しませんが、その内容が公表されるため社会的な信頼を大きく損なうリスクがあります。
口コミの運用を誤ると法的措置に繋がるため、細心の注意を払いましょう。
Google口コミでポリシー違反となった場合の措置内容
口コミの信頼性を守るため、Googleは虚偽のエンゲージメントや報酬付き依頼などポリシー違反と判断した行為に対して厳格な対応を行います。
違反が認められた際の措置内容は以下のとおりです。
| ビジネス オーナーが虚偽のエンゲージメントに関するポリシーに違反していると判断された場合、違反しているクチコミの削除に加えて、ビジネス プロフィールに制限が課されることがあります。制限には次のようなものがあります(ただしこれらに限定されません)。 ・一定期間、ビジネス プロフィールで新しいクチコミや評価を受け取ることができなくなる ・一定期間、ビジネス プロフィールの既存のクチコミや評価が非公開になる ・虚偽のクチコミが削除されたことを消費者に知らせる警告がビジネス プロフィールに表示される プロフィールに制限を適用する予定がある場合は、ビジネス オーナーにメールで通知します。 |
引用:Business Profile restrictions for policy violations
こうした制限は事業者の信頼を大きく損ない集客にも影響が出るため、ポリシー遵守は不可欠です。
Google口コミでステマ違反となった事例
2025年3月17日、消費者庁は「スマイル+さくらい歯列矯正歯科二子玉川」を運営する医療法人社団スマイルスクエアに対し、景品表示法に基づく措置命令を行いました。調査の結果、同院がGoogleマップ上での評価を操作するような表示を行っていたことが確認され、ステルスマーケティング告示に違反すると判断されたものです。
具体的な違反内容
| 来院した患者さまに対し、Googleマップの口コミ欄で「☆☆☆☆☆」を投稿することを条件に、5,000円分のQUOカードを提供、または治療費を5,000円割引すると伝えていた。実際に患者が星5を投稿していたため、事業者が表示内容の決定に関与していたと認定された。 |
本件で消費者庁から出された措置命令は以下のとおりです。
- 違反事実を一般消費者に周知徹底すること
- 再発防止策の実施
- 将来にわたり同様の違反行為を繰り返さないこと
この事例は、口コミの不適切な運用が行政処分に繋がることを示す典型例です。口コミ依頼や評価の誘導は、消費者庁だけでなく社会的信用の失墜にも直結します。
参考:医療法人社団スマイルスクエアに対する 景品表示法に基づく措置命令について
Google口コミ対策のポイント

口コミは正しく運用すれば集客に大きく貢献できますが、誤った運用は法的リスクや信頼低下を招く恐れがあります。
本章では、日常的な口コミ対応において押さえておくべき3つのポイントを紹介します。
- 金銭的な報酬のやり取りをしない
- 口コミへの丁寧な返信を行う
- 怪しい業者に注意する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金銭的な報酬のやり取りをしない
Google口コミを正しく運用するうえで最も重要なのは、金銭的な報酬を対価として口コミを依頼しないことです。
Googleのポリシーではインセンティブを提供して投稿を促す行為自体が禁止されています。また、依頼内容によってはステルスマーケティングと判断され、景品表示法違反に該当するケースもあります。
ただし「口コミを書いていただけると嬉しいです」「ご意見をぜひお聞かせください」といった、あくまで任意で自由に投稿してもらう依頼であれば問題ありません。
口コミの内容や評価点数に事業者が関与しなければGoogleのポリシーにも違反せず、利用者の声として信頼性の高い口コミが集まります。
無理に口コミを操作せず、利用者の自然な声を集めることが重要です。
口コミへの丁寧な返信を行う
Google口コミは投稿されて終わりではなく、その後の対応も大切です。
ポジティブな口コミには感謝の言葉を添えて返信しましょう。投稿者に好印象を与えるだけでなく、第三者にも親しみやすく真摯な姿勢が伝わります。
一方で、ネガティブな口コミに対しては誠実な対応が必要です。内容が事実であれば謝罪し改善策を示し、事実でない場合は「スタッフに確認しましたがそのような事実は確認できませんでした」と丁寧に伝えましょう。
このような対応は、投稿者だけでなく口コミを閲覧したほかのユーザーにも信頼性を印象づけ、結果的に来店の後押しとなります。
口コミへの返信は、イメージ向上や集客促進に効果を発揮する重要な取り組みです。
怪しい業者に注意する
口コミ対策をうたう外部業者のなかには、低評価を削除して高評価だけを残すといった不正手法を持ちかけるところがあります。
これは「レビューゲーティング」と呼ばれ、Googleのポリシーで明確に禁止されています。
一見すると評価を高めて集客に役立ちそうに見えますが、違反が発覚すればかえって大きなリスクを招き消費者からの信頼を失う可能性もあるでしょう。
口コミは長期的に信頼を積み重ねるものであり、操作による一時的な評価の向上は持続性がありません。業者に依頼する際はその手法が正しいものかを必ず確認し、不自然な提案をする業者には注意しましょう。
違反リスクを避け、正しい口コミ対策で集客しよう
Googleの口コミは店舗の信頼を高め、集客に繋げる重要な施策です。
しかし、金銭的な報酬を条件とした依頼や評価操作など、不適切な対応は法規制やGoogleのポリシー違反となり、措置命令や口コミ削除などのリスクを招きます。
口コミ運用で大切なのは「自然な投稿を促すこと」「誠実な返信対応」「不正業者を利用しないこと」の3点です。
短期的な操作ではなく、正しい運用で長期的な信頼を築いていきましょう。
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医療広告ガイドラインを考慮したコンテンツマーケティング/広告運用だけではなく、Webマーケティングの戦略立案、SNSマーケティング、Webサイト改善、毎月のレポーティングなど、豊富な経験と実績を持ったメンバーたちがPDCAを実行し、丁寧にサポートします。

