「開業したものの、思ったように患者数が伸びない」
「近隣に競合クリニックが増えて、患者数が減少している」
このような悩みを抱えていませんか。
クリニック経営において、安定した患者数の確保は最も重要な課題の一つ。
しかし、立地や診療科目、地域の特性によって効果的な集患施策は異なります。
今回の記事では、クリニックの平均患者数のデータをもとに、患者数が伸び悩む原因を整理し、オフライン・オンライン両面から具体的な集患施策を解説します。
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クリニックの患者数が少ない原因
クリニックの患者数が伸び悩む要因は複数あります。
立地や競合状況、口コミの有無、オンライン上での見つけやすさなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って影響しています。
まずは自院の課題を整理し、なぜ患者数が伸びないのかを客観的に分析することが大切です。
例えば、以下のような原因が考えられます。
- 立地条件:駅から遠い、駐車場がない、看板が目立たないなど
- 競合状況:近隣に同じ診療科目のクリニックが多い
- 認知度不足:開業したばかりで地域に知られていない
- オンラインでの情報不足:ホームページがない、検索しても出てこない
- 口コミ・評判:Googleマップの口コミが少ない、評価が低い
- 診療内容の不明瞭さ:何が得意なクリニックなのか患者に伝わっていない
これらの課題を一つひとつ特定し、優先順位をつけて対策していくことが、患者数増加への第一歩となります。
そもそもクリニックの1日の平均患者数は?

患者数を増やすにあたり、クリニックの1日の平均患者数は一つの目安になります。
令和5年の医療施設調査によると、一般診療所の1日あたりの平均患者数は45人です。
ただし、診療科ごとに平均患者数は大きく異なります。例えば、整形外科では1日112人に対して、美容外科では24人となっています。
また、診療科目により診療単価も異なるため、同じ患者数でも売上は大きく変わってきます。
以下は主な診療科目別の1日あたりの平均患者数です。
| 診療科目 | 1日あたりの平均患者数 |
|---|---|
| 内科 | 39人 |
| 皮膚科 | 64人 |
| 小児科 | 54人 |
| 精神科 | 40人 |
| 心療内科 | 45人 |
| 外科 | 50人 |
| 整形外科 | 112人 |
| 美容外科 | 24人 |
| 耳鼻咽喉科 | 73人 |
| 産婦人科 | 55人 |
| 全診療科平均 | 45人 |
出典:医療施設調査 令和5年医療施設(静態・動態)調査 全国編Z146 第146表 一般診療所の患者数,診療科目(主たる診療科目)・病床の有無別 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口
出典:医療施設調査 令和5年医療施設(静態・動態)調査 全国編Z143 第143表 一般診療所数,開設者・診療科目(主たる診療科目)・病床の有無別 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口
クリニックで患者を増やすための考え方
患者数を増やすには、初診患者・再初診患者・リピーターという3つの視点からアプローチする必要があります。
- 初診患者:初めて来院する患者
- 再初診患者:過去に来院したことがあるが、しばらく来院していなかった患者
- リピーター:定期的に通院している患者
初診患者を増やすには認知度向上や新規集客が重要です。再初診患者を増やすには、過去の患者への再アプローチが効果的です。
そして、リピーターを増やすには、患者満足度を高め、継続的な通院を促す仕組みづくりが必要となります。
これら3つのアプローチをバランスよく実施することで、安定した患者数の確保が可能になります。

クリニックの患者数を増やすための方法
クリニックで患者数を増やすには、オフラインとオンラインの両面で対策を行なうことが重要です。
オフライン施策は地域密着型のアプローチとして、近隣住民への認知度向上に効果的です。
一方、オンライン施策は幅広いエリアからの集患や、若年層へのアプローチに強みがあります。
それぞれの施策には特徴やコストが異なるため、貴院の診療科目、ターゲット層、予算に合わせて最適な組み合わせを選択することが大切です。
ここからは、具体的なオフライン施策とオンライン施策について詳しく解説していきます。
クリニックの患者数を増やすためのオフライン施策

オフライン施策は、地域に根ざした認知度向上に効果を発揮します。
特に中高年層や、インターネットをあまり利用しない層へのアプローチに有効です。
主なオフライン施策の特徴と費用目安は以下の通りです。
| 施策 | 特徴 | 費用目安 |
|---|---|---|
| ポスティング・新聞折込 | 近隣エリアへの直接的なアプローチが可能 | 1枚3〜10円程度 |
| 看板・外壁広告 | 通行人への継続的な認知度向上 | 製作・設置費:10〜150万円程度広告費:月額5〜35万円程度 |
| イベント・コミュニティ活動 | 信頼関係の構築と口コミ促進 | 会場費による |
ポスティング・新聞折込
ポスティングや新聞折込は、クリニックの近隣エリアにチラシを配る方法です。地域の住民に直接アプローチできるため、特に開業直後の認知度向上に効果的です。
チラシには診療科目、診療時間、所在地、特徴的な治療内容などを分かりやすく記載しましょう。
また、「◯◯クリニックで検索」といった文言を入れると、Googleでの指名検索数が増え、ローカル検索での順位向上にも貢献できます。
看板・外壁広告
通行動線上に看板や外壁広告を設置することで、継続的な認知度向上を図れます。特に交通量の多い道路沿いや駅前などでは、多くの人の目に触れる機会が増えます。
看板では、『診療科』『診療時間』『場所』を大きく簡潔に示すのがポイント。
情報を詰め込みすぎると読みにくくなるため、遠くからでも視認しやすいデザインを心がけましょう。
イベントやコミュニティ活動
健康相談会や健康講座などのイベント、地域のコミュニティ活動への参加を通じて、医師の人となりと信頼感を伝えることができます。
直接顔を合わせることで、患者との心理的な距離が縮まり、来院のハードルが下がります。
効果的な流れとしては、SNSやチラシで事前告知を行ない→当日はアンケートなどで連絡先を収集→後日フォローアップの案内を送る、という一連の導線を用意すると良いでしょう。
クリニックの患者数を増やすためのオンライン施策

オンライン施策は、幅広いエリアからの集患や、インターネットを活用する若年層へのアプローチに強みがあります。
主なオンライン施策の特徴と費用目安は以下の通りです。
| 施策 | 特徴 | 費用目安 |
|---|---|---|
| SEO内部対策 | 検索上位表示による自然流入の増加 | 外注する場合は月額15〜30万円程度 |
| コンテンツマーケティング | 記事による情報提供と信頼構築 | 外注する場合は月額15〜30万円程度 |
| リスティング広告 | 検索ユーザーへの即効性の高い訴求 | 月額30〜50万程度外注する場合は広告費の20%程追加でかかる |
| Meta広告(Facebook/Instagram) | 近隣の関心層への認知拡大 | 月額30〜50万程度外注する場合は広告費の20%程追加でかかる |
| MEO対策(Googleビジネスプロフィール) | 地域検索での上位表示 | 外注する場合は月額1〜5万円程度 |
| Instagram運用 | 視覚的な情報発信と親近感の醸成 | 外注する場合は20〜50万円程度 |
| YouTube運用 | 動画による詳細な情報提供 | 外注する場合は30〜50万円程度 |
| LINE運用 | 既存患者への継続的なコミュニケーション | 外注する場合は20〜50万円程度 |
| ポータルサイト掲載 | 比較検討層への訴求 | 無料〜月額1万円程度 |
SEO内部対策
SEO内部対策とは、サイトの構造や読み込み速度、見出しの付け方などを整え、Google検索で上位表示しやすい環境を整えることです。
また、予約への動線設計を最適化することも重要です。せっかくサイトに訪問してもらっても、予約ボタンが分かりにくかったり、予約フォームが複雑だったりすると、離脱につながってしまいます。
適切な内部対策を施すことで、自然検索からの来院にも繋がりやすくなります。

コンテンツマーケティング
治療の流れや費用、リスク、よくある質問など、患者が知りたい内容を記事化する施策です。
質の高いコンテンツを継続的に発信することで、患者からの信頼を獲得できます。
また、SEOを意識した記事を作成すれば、自然検索からの流入も見込めます。

リスティング広告運用
リスティング広告は、Google検索の検索結果画面に表示される広告。来院意欲の高いユーザーに直接アプローチできる即効性の高い施策です。
「症状名+地域」など、受診に繋がりやすいキーワードを選び、限られた広告費を効率的に使うのがポイントです。
クリック単価は競合状況によって変動するため、定期的に運用状況を確認し、費用対効果を最適化していくことが重要です。

Meta広告運用(Facebook/Instagram)
Facebook広告やInstagram広告を活用し、近隣の関心層へ認知度を高め、来院に繋げる方法です。
写真や短い動画で院の雰囲気や強みをわかりやすく紹介できるため、特に美容医療との相性が良い施策です。
利用者層にも特徴があり、Facebookは40〜50代、Instagramは20〜30代での利用率が高い傾向にあります。狙いたい患者層に合わせて媒体を使い分けると効果的です。
MEO対策(Googleビジネスプロフィール)
MEO(Map Engine Optimization)対策とは、Googleマップや「地域名+診療科目」といったローカル検索で上位表示を狙う施策です。
Googleビジネスプロフィールに正確な情報を登録し、定期的に投稿や写真の追加を行うことで、検索順位の向上が期待できます。
口コミを重視する人や、近くのクリニックを探している人に対して効果的にアプローチできるため、特に地域密着型のクリニックには必須の施策といえます。
Instagram運用
院内の様子や施術の流れを写真やリール(短い動画)で伝えられる施策です。
Meta広告と比べて広告費はかかりませんが、ハッシュタグ検索で上位表示を狙うなど、ユーザーへの露出を高める工夫が必要です。
また、投稿に対するコメントやDMへの丁寧な返信を通じて、患者との双方向のコミュニケーションを図ることも、信頼関係の構築に効果的です。
YouTube運用
医師による解説動画で、患者の不安や疑問を解消する施策です。概要欄にクリニックのウェブサイトや予約ページへのリンクを設置することで、動画視聴から予約へとスムーズに繋げられます。
YouTubeは他のSNSと比べても幅広いユーザー層にリーチできるため、年齢や性別を問わず多くの潜在患者にアプローチできます。
動画コンテンツは一度作成すれば長期間にわたって集患に貢献し続けるため、費用対効果の高い施策といえます。
LINE運用
LINEは再来院を促す施策として非常に有効です。予約のリマインド機能を活用することで、予約忘れや無断キャンセルを防ぐことができます。
また、休診日のお知らせや季節ごとの健康情報など、定期的な情報発信も可能です。メールよりも高い開封率で、多くの患者に確実にメッセージを届けられる点が大きな強みです。
友だち登録の特典(初診料割引など)を用意することで、登録率を高める工夫も効果的でしょう。

ポータルサイト掲載
医療系ポータルサイトに情報を掲載することで、クリニックを比較検討している人に訴求できます。
所在地や診療時間を正確に記載するのはもちろん、得意とする治療内容など、競合との差別化になる情報も詳しく記載しましょう。
また、ポータルサイト経由での予約を受け付けることで、予約のハードルを下げ、新規患者の獲得につながります。

クリニックの集患施策では医療広告ガイドラインに注意
オンライン・オフラインに関わらず、クリニックの集患対策では医療広告ガイドラインに注意する必要があります。
医療広告ガイドラインでは、誇大広告や虚偽広告、比較優良広告などが禁止されています。例えば、「絶対に治る」「日本一」といった表現、ビフォーアフター写真の不適切な掲載、体験談の掲載などは違反となる可能性があります。
一度違反すると、行政指導や広告の差し止めなど、改善までに時間がかかるケースも多くあります。また、クリニックの信頼性にも悪影響を及ぼしかねません。
日頃から正しい知識で施策を行うことが重要なため、医療広告に詳しい専門家の意見も取り入れると安心でしょう。
クリニックの患者数を増やした事例
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成功事例については、こちらの記事で詳しく解説していますので、気になる方は読んでみてください。

クリニックの患者数を増やすために、できることから始めよう
クリニックの患者数を増やすには、オフラインとオンラインの両面からアプローチすることが重要です。
まずは自院の課題を整理し、診療科目の平均患者数と比較しながら、現状を客観的に把握しましょう。その上で、予算や人的リソース、ターゲット層に合わせて、最適な施策を選択することが大切です。
患者数の増加は一朝一夕には実現しませんが、継続的な取り組みによって必ず成果は現れます。
本記事でご紹介した施策を参考に、貴院に合った集患対策を進めていきましょう。
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