はじめに
Googleマップを活用した顧客ビジネスを行う中で、「クチコミ」は、お店の評判や集客を左右する非常に重要な要素です。
「クチコミを集める」「クチコミに返信する」などは基本の対策として行いたいものですが、低評価や悪質なクチコミがついてしまった時はどうしていますか?
多くの顧客を迎えると、良い評価もあれば時にはネガティブな評価を受けることもあるでしょう。
中には、事実無根、嫌がらせ、誹謗中傷のような悪質なクチコミもあるかもしれません。
日本でも、昨年医療クリニックへの不当なクチコミに対する対応をめぐり医師団がGoogleを提訴したことがニュースでも取り上げられました。
このように、身に覚えのないクチコミでビジネスを邪魔されるケースは日本でも起こっています。
今回は、このような「悪質なクチコミ」「低評価のクチコミ」を投稿された場合の対処法をお伝えいたします。
以前アップしたクチコミ対策の記事もよろしければお読みください!
Googleマップのクチコミの仕組み
Googleマップへのクチコミは、Googleアカウントを持つユーザーであれば簡単に投稿できます。
投稿する際は、星の数の登録のみ必須で、コメントと写真、動画は任意の項目になります。
「投稿」ボタンを押すと、即座にクチコミが公開されます。
投稿者名は、本名ではなく、Googleのユーザー名で表示されます。
公開された全てのクチコミはGoogleによる審査を受けます。ポリシー違反と判断されると非公開になる場合があります。
クチコミを投稿したユーザーは、いつでもクチコミの削除や編集ができます。
一方、クチコミを受けとったオーナー側には、新しいクチコミが投稿されると、ビジネスプロフィールの管理画面に「新着クチコミあり」の通知がされます。
クチコミに対しては返信が可能です。返信はいつでも編集、削除ができます。
ビジネスオーナー側の任意で投稿されたクチコミを削除することはできません。
Googleが禁止しているクチコミ
Googleはクチコミの扱いに対して詳細なガイドラインを定めています。
具体的には、禁止行為には以下のものがあります。
・虚偽のコンテンツ
・実体験に基づかないコンテンツ
・なりすまし
・差別的な内容
・個人情報
・ヘイトスピーチ
・営利目的
・スパム、繰り返しの内容
他にも、暴力的な表現、成人向けの内容などが禁止されています。
禁止ではないですが、タバコやアルコール、医療機器など、法規制のある商品の投稿には制限があり、別に定められているガイドラインに準拠する必要があります。
特にこの2年ほど、Googleは違反クチコミに対する監視を強めており、審査が厳しくなっています。
禁止および制限されているコンテンツ:
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7400114?hl=ja
Googleクチコミの問題点
これまでクチコミ投稿の仕組みとGoogleの規制についてご説明しましたが、ビジネスオーナーにとっては困った問題点もあります。
まず、クチコミはオーナーの任意で削除することができません。
削除可能になれば、悪い評価は削除して、良い評価だけを残せることになり、公平なレビューのシステムそのものが崩れてしまいますから当然といえば当然です。
自由に操作できないからこそ、ユーザーにとっても信頼度の高い情報となるのです。
そのためGoogleは投稿に対するガイドラインを設けて監視や削除対応を行っています。
しかし、Googleの審査も完璧ではないので、明らかなポリシー違反の投稿がそのまま公開されてしまうケースも多々あります。
また、違反のクチコミに対して、現状では投稿者側を厳しく取り締まる(ペナルティを課す)対策はまだ取られていません。
違反クチコミが削除されるだけで、例えばアカウント機能やマップ機能などの制限など、投稿者側にペナルティが課されることは現状(少なくとも日本では)まだありません。
Googleもこの状況を是正するための策を講じていますが、現状では悪質なクチコミが野放しになっていると言わざるを得ません。
ビジネスオーナー側が結果的に不利益を被るような仕組みになっている側面があるのです。
【追記情報】
2024年に、Googleは新たなヘルプ文書を公開し、フェイクレビューの投稿者の取り締まり対策を試験的に開始しているようです。
イギリスやアメリカから運用を開始しており、日本では実際に取り締まりの例は報告されていませんが、今後具体的に対策が取られていく可能性があります。
https://support.google.com/business/answer/14114287
【削除申請】違反している場合
先ほど言及したとおり、Googleは全てのクチコミに対して審査を行っていますが、完全ではありません。
ガイドライン違反のクチコミが公開されている場合は、削除申請ができます。
※純粋な低評価など、ガイドラインに違反していないクチコミは申請対象ではありません。
※星のみのコメントなしのクチコミも同様。
理由を選択して、送信ボタンを押せば、削除申請は完了です。
削除申請は、ビジネスプロフィールの管理画面、Googleマップの画面の両方から可能です。
申請から削除まで1週間から2週間ほどかかることが多いです。
申請したものが必ず削除されるわけではないという点にも注意が必要です。
手続き自体はとても簡単なので、まずは申請してみるとよいでしょう。
削除が完了すると、メールで通知が届きます。
メールが届かないこともあるので、申請後しばらく経ってから、クチコミ欄を確認しましょう。
削除申請が受理された例:
【クチコミ返信】削除できない場合
削除申請が通らなかった、または削除対象ではないコメントなし星のみの低評価など、削除できない場合にはクチコミへの返信で対応しましょう。
※削除申請が通らなかった場合、一度だけ再度申請できます。(再審査請求)詳細は下のQ&Aでご紹介しています。
また、低評価の中には実際お店側に改善の余地がある場合もあるかと思います。
特にこのようなクチコミには、真摯かつ冷静に対応することが重要です。
まずは来店していただいた感謝を伝え、不快を抱かせてしまったことへのお詫び、改善する姿勢や今後の対応を伝えましょう。
クチコミは訪問を検討している他のユーザーもよく見ています。特にネガティブなクチコミは、お店選びに失敗したくないと考えれば、事前に目を通すユーザーは多いです。
そこでのクチコミに対するお店からの対応は、ユーザーの印象を大きく左右します。
良いクチコミにだけ返信して、悪いクチコミには返信していないとお店に対する印象が悪くなるというのはよく聞く話です。
NG行動
Googleマップに悪いクチコミを書かれれば、不快になったり、なんとかして消したいと思うかと思います。そんな時こそ冷静になり、下記のような行動を取らないように気を付けましょう。
感情的な返信
例え事実と異なることを書かれても、こちらが感情的になって返信するのはNGです。
あくまでも冷静に真摯に対応することが大切です。
クチコミを削除する業者に依頼する
「Googleマップ クチコミ 削除」と検索すれば、Googleのクチコミ削除を謳う業者が出てきます。しかしこのような業者には注意が必要です。
中には、低評価のクチコミを投稿した後で営業の連絡をして、クチコミ削除後、成功報酬を受け取るような悪質な業者もあるようです。
良いクチコミを増やす業者に依頼する
高評価を増やすために、業者に依頼して投稿を代行してもらういわゆる「サクラ行為」もNGです。
良いクチコミを投稿するようにお客様に依頼する
同じく高評価を増やすために、お客様に「良いクチコミ」を依頼することはガイドライン違反です。割引やサービスと引き換えにクチコミを募るのもNGです。
「クチコミを投稿してください」とお願いしたり、ポップを掲示するのはOKです。
Q&A
星のみでコメントのないクチコミは削除できますか?
星のみの評価は削除申請できません。ガイドラインに抵触するようなコンテンツがないためです。コメントの返信で対応するのがよいでしょう。
削除申請が通らなかった場合、再度削除申請しても良いですか?
Googleのガイドラインには、1度だけ再度の削除申請ができると記載されています。
1件のクチコミに対して2回の削除申請ができることになります。
再度の削除申請を行う場合は「再審査請求」という別のフォームから申請を行います。
「クチコミ管理ツール」というページから申請します。
https://support.google.com/business/answer/4596773?sjid=1930662787637662127-AP
【日々の運用】定期チェックを欠かさずに
Googleマップのクチコミは集客を行う上でとても重要です。
ユーザーがよく見ているのはもちろん、Googleもクチコミを重要視しており、表示順位にも大きく影響します。
定期的にクチコミを確認し、その都度適切な対応を行うことでお店のクチコミの品質が向上します。
クチコミ対策はとても重要な施策ではありますが、同時に手間と時間がかかるという面もあります。そのため、クチコミの管理まで手が回らない経営者の方も多くいらっしゃるかと思います。
弊社ではGoogleビジネスプロフィールの機能を最大限に活用することで集客効果を改善するサービスを提供しています。お客様の要望を聞きながら、安心してお任せしていただける体制を整えています。お気軽にご相談ください。